Ferrari F90 ??
聞いたことない方も多いでしょう。
ブルネイ国王のために作られた特別なフェラーリなのである。
デザインはエンリコ・フミア氏。
1990年に6台のみ作られた。
最近までその事実は公表されることはなかった。
当然といえば当然のことかもしれない。
現在、6台が全てブルネイ国王のもとにあるのか、あるいは売却されてしまったのか、
フミア氏自身もわからないそうである。
中身はテスタロッサである。
ピニンファリーナ内でミトスの対抗馬として進められていたようである。
個人的にはテスタロッサよりもF90の方が断然好きである。
テスタロッサの絞り込みの無いリアがレーシーではあるけれど好きではない。
こんなものはフェラーリらしくないという意見もあるだろう。
しかし、よく見ると随所にフェラーリのエッセンスを感じることができる。
けして全く違うものを作ったということはない。
そこがフミア氏の良識でありセンスの良さである。
これが量産されていればフェラーリに新しい歴史が刻まれたかもしれない。
有機的なラインで構成されているが、デザインのためのデザインというわけではなく、
必然性を持ったデザインである。
ルーフは綺麗にエンジン上に収まり、そのために破綻していることもない。
リアビューを見ると、ランチア・イプシロンに通じる曲線である。
サイドから連続的に流れるようなライン上にリアウイングがある。
後付したような、これ見よがしのウイングとは大違いである。
幾重にも重なった曲線が見事としか言いようがない。
ああ、ブルネイ国王様!一つお譲りくださいな。