ついでにマツダのデザインについてさらに。
初代ファミリアも大好きなデザインのクルマだった。でも、こちらはカロッツェリアの仕事であるとは一般には語られてはいないのであるが、実はこれもベルトーネの仕事であるようだ。おそらくこれもジウジアーロなんだと思う。
特にクーペが美しい。セダンよりも数センチ低くされたルーフが微妙に効いていて、独特のスポーティさを醸し出していた。ウッドステアリングとセンターに配置されたレブカウンターが当時としてもイタリアンなムードを出していたように思う。これも日本のガイシャなんだな。
さらにこの後に出てくるファミリアロータリークーペに関してはカロッツェリアが全く噛んでいないはずだが、マツダデザインの魅力は衰えることがなかった。ロータリーエンジンの先進性と相まってコンパクトでありながらプレミアムなクルマであったように思う。
全く違うクルマだが、マツダにはこういうのも存在した。ボンゴだ。日本のワンボックスのハシリである。当時はこれしかなかったので、その後で出てくるワンボックスカーのこともみんな「ボンゴ」と呼んだ。「クリープ」や「ゼロックス」と同じようにワンボックスの代名詞になったわけだ。でもどうだろう、今のワンボックスよりもよほど魅力的なデザインではあるまいか。