ポストモダニズムの旗手、
マイケル・グレイヴス。
バブル時代の象徴でもあった。
1989年の福岡シーサイド百道はバブル絶頂期を迎え、有名建築家の作品集のような街づくりだった。
スタンリー・タイガーマン、黒川紀章、出江寛、木島安史、葉祥栄、そしてマイケル・グレイヴス。
そんな中でもマイケル・グレイヴスのネクサス百道M棟は、最も輝いていた。
分譲マンションとして売り出されたその価格は、1億を超えていた。
それまでの福岡の地価を考えると尋常でない価格であったのだ。
当時建築の仕事だった僕はわざわざ見学に行ったほどである。
この百道プロジェクトがきっかけなのだろうか、現在福岡にはマイケル・グレイヴスの建築が4つも存在する。彼の作品がこれほど集中しているのは実は福岡だけなのだ。
そんな福岡に出張する機会があった。前回はアルド・ロッシ設計のホテル・イル・パラッツィオに宿泊したが、今回はマイケル・グレイヴス設計のハイアット・リージェンシー福岡にした。
仕事上は不便な場所であったが、そんなことはどうでもよい。
ホテルに到着したとたん、疲れは吹っ飛んだ。
まさしく、マイケル・グレイヴス!この色、このカタチ。当時大いに影響を受けたものだ。
このハイアットは1996年にできたそうだ。バブル崩壊後の建築!それでもマイケル・グレイヴスに依頼したのは評価に値する。
見よ、このクラシックとモダンの融合。
先ほどの吹き抜けを外から見たところ。
最後に、翌朝仕事先のビルの向かいには、偶然またマイケル・グレイヴスの建築が!
ネクサス百道タワーである。
もし福岡に住むことがあるとするならば、絶対ココだな。
それにしても九州は建築の宝庫である。