ALFA ROMEO 164。
改めて最も好きなデザインのクルマだと思う。
60年代の伸びやかさもいい。
70年代のダイナミックさもいい。
でも、80年代初頭のモダーンデザインがやっぱり好きだった。
下半分をグレーに塗られた超ウエッジシェイプ。
とてもセダンとは思えない感覚。
整然と並んだスイッチの使い勝手を云々言うのは愚の骨頂。
プラスチッキーという言葉を使ってこき下ろす者は無理して乗らなくて良い。
このデザインがわからぬか。偽物の革や木がそれほどいいのか?
プラスチックはプラスチックという立派な素材なのである。
もっともらしく「質感」という言葉を使っている輩に限ってデザインの事などわかっていない。
先日8.32の代車として借りた164。
かつて8.32か164QVで迷いに迷ったことを思い出させた。
人の心を見透かしているようだ。
しかもこの個体、4万キロ台という奇跡的なコンディション。
ATながらアルファV6の快音に、いつまでも乗っていたくなる。
踏めば前に出るトルク感、切ればスッと曲がるステアリングフィール。
それでいて、段差を吸収する極上の乗り心地。
今となってはコンパクトなサイズ。すぐに身体に馴染む。
このスーパーセダンに再び恋をする。
ALFA ROMEOはこうあるべし、という呪縛から少し外れた感じがまた良い。
地味な色がよく似合う。
ピニンファリーナ時代のエンリコ・フミア作。
164、永遠の名作だと思う。